自習室では、他の人の目がありますから、立ったり座ったり、時計ばかり見たり、といった余計な動きはとりにくいのです。まわりは、机に向かっていますから、自分もそうするものだ、という気になります。そうするうちに、だんだん勉強に集中しはじめます。そうした積み重ねは、体がしっかり覚えていて、自習室に入った瞬間に、頭が回転し始める習慣が身につくのです。志望校に合格していった先輩のうち、予備校・塾でなにが思い出に残っているか、と聞くと、第一に「自習室での独習」と応える人が多いのも、肯けます。さて、自習室の使いかたの注意点、参考となる点などを、挙げておきましょう。あたりまえのことですが、私語は厳禁です。自分は小さい声で話しているつもりでも、聞いている人は、拡張したように耳に入ってきます。きっと誰かに「キーツ」と思われています。注意されたりすると、次回から使いずらくなります。逆に、誰かが私語をしていたら、耐えていてはいけません。イライラしたら勉強ははかどりませんので、スタッフにいって、注意してもらいましょう。また、自習室の常連のなかに、仮想ライバルを見つけたりするのも効果的です。あの人が席を立つまで、自分も立だない。そんなふうに。集中力を継続させます。
学校で学ぶ内容は、単なる知識の詰め込みではなく、原理やしくみにこだわることが多い。同じ勉強でも、受験のための勉強と学校で学ぶことでは、だいぶ違うことを知らなくてはならない。受験のための知識を「受験知」、学校で学ぶことを「学校知」として区別することが大切である。だから、受験をするには進学塾や総合塾に行く必要が生じてくるのである。さらに高校受験の場合は、難関私立(国立も含む)と公立では、だいぶ状況が異なっている。公立の場合はほとんど教科書だけで受験が可能だが、難関私立の入試問題は、学校の勉強だけでは太刀打ちできない。だから、大学への進学率の良い私立高校をめざそうと思う場合は、学習する習慣がついているなら、進学塾か総合塾に行くのがよいだろう。
もうすぐ夏休み。受験生にとっては正念場を迎える。家庭では、受験の問題に直面し、ナーバスになりがちな子供との対応の難しさを実感するときでもあります。最近の子供は、概してわがまま、自己中心的でコミュニケーション能力が極端に低い。とりわけ受験を問近に控えた高校生たちにはそうした性向がはっきりと表れてきます。親とて、その対応は難しく、私たちのもとに、その対処法を求める相談が増えるのもこの時期です。これから約半年間、受験生と家族の関係は、受験生が主役の生活になるだけに、親兄弟の心労は計り知れないものになります。まず、そのことを覚悟したうえで、どう勉強させるかなど、受験生との接し方を工夫してほしい、と思います。対処法は、前に書いたことですが、結論から書けば、そんな彼らに真っ向から向き合うのは得策ではありません。少々時間はかかるかもしれませんが、子供が主体的に変わり、自ら机に向かうようになるのを待つ方がいい結果が得られます。